この本を読みました。
『心をつかむ技術』という簡単なタイトルだが、もっと大それたタイトルをつけても良いのではないかと思うほどの内容。
簡単なコミュニケーション方法の参考本かと思って読み始めたが、人間の心理や習性を応用したコミュニケーション方法や、アピール方法、セールス方法が満載だった。
コミュニケーションを学びたい人はもちろんだが、セールス、販売、マーケティング等を業としている人にも大いに役立つと思う。
どうしたら人が話に食いついてくるか。どうしたら印象が良くなるのか。どうしたら相手との絆を作ることができるのか。どうしたら相手に協力させることができるのかなど、研究結果や実例を交えて紹介されている。
著者が何を訴えたいかの要点も分かりやすく、理解しやすかった。
コミュニケーション力がなく悩んでいる人。人の心理を学びたい人。一読の価値ありです。
≪以下、影響を受けた点、共感した点などの一部を引用します。≫

あなたが人々の心をつかみたいのなら、何らかの方法で相手の自負心を満たすことが不可欠になる。しかし残念ながら、多くの場合、相手を脅したり、焦らせたり、嫉妬心や不信感を抱かせたりして説得しようとしているのが実情だ。

男子生徒達はしばらくの間、学内で青い服を着たすべての女子学生をほめた。すると、青い服を着た女子学生の割合が全体の25%から38%に増えた。今度は、赤い服を着たすべての女子学生をほめた。すると、赤い服を着た女子学生の割合が全体の11%から22%に倍増した。この結果は、ある行動をほめると、その行動が強化されることを示している。

一つのネガティブなコメントは、十のポジティブなコメントよりも強力だ。人をほめるときは、ネガティブなコメントを交えないよう慎重を期する必要がある。

自分に貼られたレッテルがポジティブであれネガティブであれ、人はその通りに行動しようとするのである。

製品やサービスに対していったん料金を支払うと、たいていの場合、客は自分の決定に自信を持つ。だから、見込客には出来るだけ早く支払いをさせるか最終決定をさせることが大切なのだ。

研究によると、直接話すときでも手紙を書く時でも、始めと終わりに相手の名前を使うと説得力が増すという。これは簡単に実行できて、すぐに絆を結べるテクニックだ。
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