この本を読みました。
人間の根本的な悩みをやさしく癒してくれる自己啓発書。
奇蹟の起こし方が直接的に書かれているわけではない。ただ、メンタル面を癒し前向きな生き方に変えることが、ひいては奇蹟を起こすような行動につながるのかもしれない。
本書にある『ひび割れ水瓶』のストーリー。これを読むと、人間は完璧じゃなくていいんだ。むしろ、人間は完璧じゃないからいいんだ。と思わせてくれる。
どんな完璧だと思われるものでも別の視点から見れば完璧ではなく、完璧を追い求めることは実に不毛なことだと本書を読んで改めて実感。
完璧を求めるより、自分の持っているひび割れをどう見るか、どう生かすかを考える方がはるかに実利的だと感じさせられた。
また、どうして人生で苦しむのか、どうしたら幸せになれるのか、どうしたら自分を好きになれるのかなどの説明も、対処法が示されていて良。
今、私の頭の中で『本物の自分を生きることは、リラックスして生きること』という一文がグルグル回っている。
私のための言葉だと思うほど、この一文にはグッときた。
人生に幸せを見いだせない人。自分のことが好きになれない人。嫌なことばかり起こっていると思っている人。一読の価値ありです。
≪以下、影響を受けた点、共感した点などの一部を引用します。≫

苦しみは意味があって起こってきます。あなたの幸せと成長を促すために、あなたが自分で引き寄せています。だからそれを無駄にしないでください。

人間の深い本能は、人に認められたいということもありますが、同時に自分が誰かの役に立ちたいと願っています。ですから自分が誰の役にも立っていないという否定的な考えにとらわれることは、一番苦しいことです。私たちがうれしいことは、誰かの役に立っているという感覚です。

時間は皆に平等に与えられています。そして、生きていくエネルギーもあります。私たちがまず人に与えられるもの、それは自分にとってもっとも大切な命の根源であるエネルギーと、生きていく時間、限られた時間です。それを他の人にさしだします。自分の中の生きる活力を他の人に差し上げると、その人は生き生きしてきます。

自分が頑固になったり、一生懸命に頑張りすぎたりすると、自分を窮屈にして、本物の自分を生きることができなくなります。本物の自分を生きることは、リラックスして生きることから始まります。

十六世紀の聖人イグナチウス・ロヨラも「起こってくることはすべて中立である」と言っています。全て自分に縁があって、必要があって起こってくる。それをどのように生かすかということが人間の仕事だ、ということを言っています。
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